Contemporary Art

極小美術館

2009.5/1(fri)~ 2009.9/30(wed)

espoir 01

観覧申し込みは090-5853-3766まで。入場は無料

私は作品を写真から作っている。
写真は、出かけた先で目にとまった場所を撮る。
その撮りためた写真の中から作品に出来そうなものを選び、いらないものを取り去ったり、必要なところを強調するように加筆したり、コラージュしたりしている。
作品のもとになる風景を撮るとき、何を基準にその場所を選んでいるかは説明が難しい。
そのときの気分に任せているし、偶然に出会うことだからだ。
でも、何かしらの共通点はあるような気がする。
いつもと同じように過ごしていても、ふと心がざわつくようなときが誰にもあると思うけれど、そういった心地にさせるような場所や状況を集めているように思う。正直なところ、あまり良い気持ちではないとき。
心がざわついて、不穏な、何か予兆めいたものを感じる、そんな気分だ。
そういった不安や穏やかでない心地が、最も継続する強い感覚なのかもしれない。
写真を選んでいるときも、撮ったときの感覚がとても強く蘇ってくる。
綺麗だった風景は、印象が薄れて遠いことのような気がしてしまう。
穏やかではない気分は単純に美しくはないけれど、私にとってなんとなく誘引されるような、恐いけれど惹かれてしまう何かを隠し持っているような感じがする。
その感覚をとどめたくて描いているのだと思う。

作品を見られた方が、どのような印象を持たれるかは全くの自由で、私と同じように感じてほしいなどとは思えないけれど、もしこの感覚を共有できたなら嬉しいと思う。

DMイメージ

brimming(2010年)

DMイメージ

a boundary(2007年)

DMイメージ

go on working(2004年)

DMイメージ

fractal.gleams(2004年)

「cause」645×920mm 水性木版

soar

【略歴】
2002
愛知県立芸術大学大学院修士課程修了
2002
鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞展
2002
日本版画協会展・山口源新人賞・70回記念賞
2002
山本鼎版画大賞展・準大賞
2003
第1回個展(養清堂画廊・東京)
2003
「版の思考、版の手法」展(愛知県立芸術文化センター)
2004
日本版画協会展・佳作賞
2004
高知国際版画トリエンナーレ
2005
ブルガリア・日本現代版画展(0ギャラリー・東京)
2006
日本版画協会展・準会員賞・会員推挙
2006
クラコウ国際版画トリエンナーレ(ポーランド)
2007
第2回個展(iギャラリー・美濃加茂)
2007
第3回個展(樹樹画廊・名古屋)
2007
「木版画東西対決」展(町田市立国際版画美術館)
【パブリックコレクション】
■町田市立国際版画美術館
■沼津市
■佐喜眞美術館
■上田市
※開催時点

2009年9月21日付朝日新聞岐阜版