Contemporary Art

極小美術館

2022.7/3(sun)~ 2022.8/7(sun)

espoir 38

観覧申し込みは090-5853-3766まで。入場は無料

重力からの解放 

篠田守男 (彫刻家・筑波大学名誉教授)

 1994年、筑波大学芸術学群教授を退任し、大学近くの新治村に工房を持った。しばらくして、そこへ金沢美術工芸大学学長、乾由明さん(美術評論家)が訪ねてこられ、大学院で教授として作家を育ててほしいと懇願された。2003年、他の専攻の教授たちは東京から飛行機で金沢に向かい、数日間滞在するという指導方法をとっていたが、学生好きの僕は現地の金沢に6年間移り住むことにした。
 長谷川清君は学部を卒業した後、僕のゼミをとったのを契機に5年間の大学院生活を送った。
 博士課程の研究論文は千葉成夫(美術評論家)の指導を受け、修了作品は「MAXIMUM ART、無限とともに生きる」をタイトルに制作・発表した。
 博士課程修了後も作家活動を継続し、極小美術館では2012年に「現代美術の新世代展」でラーメンの作品を展示。1時間毎にラーメンを作り、スープを飲み干すと器に仕込まれた画像を見ることができる。
 つづいては海老フライが空中に浮かび、重力に逆らって浮遊する作品。
 さらに、ヘルメットの頭上をミニチュアカーが行き来し、それを被った鑑賞者が制御して遊ぶ作品。この作品は岐阜県美術館の正村美里学芸部長に面白いと評価していただいた。

 現代美術は突き詰めると哲学の分野に入り込み、宗教に重なる分野でもある。長谷川君はその間隙を縫って深刻ぶらず物と言語の間を構成し、全く新しいアートを探求しようとしている。

 昨年末から今年にかけて、僕は信州・安曇野の碌山美術館で大規模な個展を行った。91歳の僕が制作の基本のひとつにしているのは重力からの解放で、長谷川清君の新しい試みを楽しみにしている。

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例えばムダしか無かったとしても。もしくは、人とムダが与えられたとせよ。
マット、鉄、スピーカー 技法:溶接など立体造形をジョイント
h.2000 × w.5000× w.5000mm(2007年制作)

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トランスフォームマン東京へ行く
プラ板、布ガムテープ、ペン 技法:コラージュ
h.1820 × w.910mm(2008年制作)

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八尾龍
ペンキ 技法:壁面にペイント h.8000 × w.6000mm(2011年10月制作)

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This is a pinkmechanism 4.
場合によっては無題だったような気もするし、 そうでなかった気もするし…
ねぇ、きみはどう思う? もし、気づいたことがあれば<私>までメッセージを 送ってくれないkaleidoscope2013.
鉄、プラスチックス、木、ゴム、ピンク、返信をアテ(ate)にしないで待ってる長谷川清
技法:溶接など立体造形をジョイント
h.1500 × w.1800× w.2800mm(2013年3月制作)

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しゃーなしで無題。
ところでドーナツはおやつにはいらないんですかレイドスコープ2012.proxy(串)
布、銅、ブリキ、段ボール
技法:布パッチワークをジョイント
h.2800 × w.2800mm(2012年1月制作)

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長谷川清

【略歴】
1978
愛知県名古屋市に生まれる
1987
総コマ数10000コマを目指して漫画『へんたいまん』を描きはじめる
2008
金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科美術研究領域 博士後期課程 修了
2010
石川県で小学校の講師、明星大学 造形芸術学部 デザイン学部 実習指導員 ※〜2015年
埼玉県で特別支援学校教員 等
現在
愛知県名古屋市在住(アトリエ)
【展覧会】
2005
個展「KIYOSHI HASEGAWA」 (マキイマサルファインアーツ/東京・新橋)
05-10
「八尾スローアートショー2005‐2010」 (05年 樫尾小学校、06〜10年 旧下笹原小学校/富山・八尾)
2008
「COMPLRELATION’08」 (マキイマサルファインアーツ/東京・浅草橋)
2009
個展「open長谷川清」 (ギャラリー点/石川・金沢市)
2010
「イージーポップアートショー2010」 (福井・越前市)
2012
「COMPLRELATION」 (渋川市美術館/群馬・渋川市)
2013
「’13Point」 (文房堂ギャラリー/東京・神保町)
2013
個展「とつぜんですが、さっきのつづき」 (新宿眼科画廊/東京・新宿)
2013
「イージーポップアートショー2013」 (田んぼ/福井・越前市)
2013
白濱はるか1st.exhibition 45組のアーティストが観た彼女「しらはまっ!!」 (新宿眼科画廊/東京・新宿)
2013
「金沢彫刻祭」 (ラブロ片町/石川・金沢市 ほか)
2014
個展「どうせ生きるなら楽しい方がいいじゃない kaleidoscope2014」 (ストリートギャラリーみちくさ/福井・越前市)
2015
「金沢彫刻祭」 (石川四高記念文化交流館/石川・金沢市 ほか)
2015
「神通峡美術展」 ※北日本新聞社賞 (旧富山市立小羽小学校 校長室/富山市)
2016
個展「とつぜんですが、さっきのつづき」 (新宿眼科画廊/東京・新宿)
17.19
「現代美術の新世代展」 (極小美術館・岐阜・大垣市)
※開催時点