Contemporary Art
極小美術館
Kanno
Takeshi
菅野
猛
2024.3/10(sun)~ 2024.4/14(sun)
espoir 44
観覧申し込みは090-5853-3766まで。入場は無料菅野猛とストライプハウスギャラリーのいきさつ
その⽇ストライプハウスギャラリー3階ベランダには、明け⽅から降り続いた雪が積もり、30cm にも満たない「喰わず芋」はけなげに⽴ちつくしていた。
屋内に展⽰された⿊⽥壽雄の重厚な作品との対⽐がとても新鮮だった。(2012年)
⼜、別の⽇、地下のスペースで能「⽻⾐」の公演があり、「喰わず芋」はしっかり四隅を守っていた。(2012年)
2014年 ⿊⽥壽雄との⼆⼈展
そして2015年から個展が始まる。
2回の展覧会、イベントへの作品協⼒参加は、その後の展覧会へのプロローグであったと思う。
ギャラリーの天井から1本ずつワイヤーが吊るされ、何百もの⼩さな灯が、静寂な地下空間にさまよえる魂のように存在した。ある意味、衝撃的なスタートであった。
硬質な⾦属の素材を使い、蓄積された多くの技術と、彫刻家篠⽥守男からは創作の原点を学び、作品作りが少しずつ動きはじめる。
銀⻯草Ⅱ(2015年)⻤灯(2016年)桔梗(2017年)仏法草(2018年)南天(2019年)⾺酔⽊(2020年)向⽇葵(2021年)現の証拠(2022年)庭園(2023年)と回を重ね、そして⾦属の材料からは、もっとも遠いイメージの花々が、タイトルとして⽤意された。
⽇常は明るく⾃然体にみえる作家からは、計り知れない深刻な闇が存在するのかもしれない、タイトルの花達への読み解きからそれを感じる。
ゆっくりとスタートした作家活動も、早々とスタートした作家達と、背を並べるようになり、創作への楽しみとそれに伴う責任を重く感じていると思う。
作品を普遍的な存在とするための、永い道のりは始まったばかりである。
そして我々には、作家の作品に対峙するときの幸福感を、いつまでも発信してほしいと願っている。

「庭園」T5901 (2022年制作)
1アルミ、真鍮、銅、ステンレス他

「南天」N5503 (2018年制作)
1アルミ、真鍮、銅、ステンレス他

「南天」N5504 (2018年制作)
1アルミ、真鍮、銅、ステンレス他

「南天」N5505 (2018年制作)
1アルミ、真鍮、ステンレス他

「南天」N5506 (2018年制作)
1アルミ、真鍮、ステンレス他

作品全体イメージ

菅野猛
- 【略歴】
- 1963
- 福島県生まれ 大阪にて育つ
- 1963
- 幼少時代より物作りのみが興味の対象で小学校の入学祝いが「大工道具セット」で中学校が「彫刻刀」だった
ちなみに彫刻刀は今も現役 - 1989
- 芝浦工業大学大学院建設工学修了
- 1989
- 清水文夫アーキテクツにてプロダクトデザイン担当
- 90〜
- メーカー店舗制作、博覧会制作業務、インテリアなど各種デザイン制作業務、玩具メーカー企画業務を仕事にしながら鉄工所 木工所 江戸挽き物工房にて制作
- 96〜
- 彫刻家 篠田守男氏に師事
- 99〜
- フリーで活動をはじめる
- 2010
- 個展「喰わず芋」 (Gallery ef / 浅草)
- 2012
- 「喰わず芋」協力参加:黒田壽雄の世界 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2012
- 能「羽衣」舞台美術協力 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2014
- 黒田壽雄 菅野猛 二人展 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2014
- グループ展「篠田守男+新進気鋭の彫刻家たち展」 (アートスペース羅針盤 / 京橋)
- 2014
- 「東アジア文化都市2014 横浜スマートイルミネーション鶴見」参加 (大本山總持寺・象の鼻パーク 横浜都心臨海部 / 横浜)
- 2015
- 個展「銀竜草 Ⅱ」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2016
- 個展「鬼灯」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2017
- 個展「桔梗」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2017
- グループ展「現代美術の新世代展2017」 (極小美術館 / 岐阜)
- 2018
- 個展「仏法草」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2018
- グループ展「Metal Fetish 展」 (美術画廊X / 日本橋高島屋)
- 2019
- 個展「南天」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2019
- グループ展「現代美術の視点2019」 (極小美術館 / 岐阜)
- 2020
- 個展「馬酔木」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2020
- グループ展「Metropolis 2020」(美術画廊/ 日本橋・大阪高島屋 巡回展)
- 2020
- グループ展「 イリュミナシオン展」 (Gallery うぇすと / 銀座)
- 2021
- 個展「向日葵」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2022
- 個展「現の証拠」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2023
- 個展「庭園」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- 2023
- グループ展「イリュミナシオン展」 (Gallery うぇすと / 銀座)
- 2023
- グループ展「幻想の建築」 (ギャラリー椿 / 京橋)
- 2024
- 個展「馬酔木 その2」 (ストライプハウスギャラリー / 六本木)
- ※開催時点